暗くて深い闇は,まだ晴れてなどいない。その暗闇で手を伸ばす者たちの動きが,それを明らかにしている。一歩踏み誤れば,奈落の底へと落ちていく。だが,常に歩み続けることでしか,ゲームは新しい時代を開けない,のだが…。
テクモ社の決算説明会の発言から。「Xボックスの苦戦が予想されているが,デッド・オア・アライブ3はキラーソフトとなる。Xボックスを買った人がみんなDOA3を買ってもらえると期待している」。「DOA3の他プラットフォームへの移植は技術的に不可能。看板ソフトをクオリティダウンすることは考えられない」。「ネットワークゲームも積極的に展開し,パソコン用ゲームにも参入する」。
いろんなところではったりが感じられる内容だが,それは置いといても楽観視できる要素はとことんない,という話に読むことができる。新しいゲームを開発しているが,それは「発売時にもっとも利益のあがるプラットフォームで出す」とのこと。本来なら,もっとも売れているハードがもっとも利益のあがるハードとなるのだが,ハードは売れてても全然ゲームが動いていないハードが現状としてあるわけで,混沌としている状況を映している。
同じ混沌へと歩みを進めるセガは,戦略発表会で開発ソフトの一覧を出しているが(GAMESPOT Japanの記事),まぁ2だの3だのシリーズ最新作だの,目新しさはかけらもない。すなわち,もっとも危険性のないタイトルだけを出している。すべてのハードが生き残るということはないし,かといってどのハードも残らないことも十分に考えられる。そんな暗闇の中で,無意識にそういう行動をとってしまっているのだ。そして,そのなかからは,新しいものなど生み出せない。
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